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市川みどり会では里山緑地関する陳情者を提出いたしました。詳しくは下記リンクよりご覧になれます。
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市川みどり会では里山緑地関する陳情者を提出いたしました。詳しくは下記リンクよりご覧になれます。

コーディネーター
千葉大学園芸学部教授  田 代 順 孝

田代順孝

皆様こんにちは。まだ先ほどの進士先生のお話の余韻が残っているんではないかと思いますが、なかなかいいお話を伺いました。進士先生のお話は、原論あるいは総論ということで、緑を守っていくことの重要性をいろんな角度からお話いただきましたが、これから各論といいますか、もう少し飛躍した目で、実際に緑に直接かかわっておられる方と行政の責任者である市長さん、それから先ほどの進士先生からもまた、ちょっと違った側面からパネリストとしてお話しいただきたいと思 います。テーマが、ふるさとの緑をどう守り育てていくかという意味では、ある意味ではかなり固いテーマでありますが、今日パネリストとしてお話しいただく方は、現場といいますか、森とどうかかわっているかということについていろいろなご経験お持ちの方でございますので、その経験を通じて、具体的な事柄から逆に森の大切さ、あるいはどうやって残すかということを語ってみたいと。そんなことで進めさせていただきたいと思います。

最初に、申し訳ございませんけれども、本日は、ここの施設の時間の関係でかなりタイトな時間設定になっていまして、おおむね5時をめどにということで、普段はかなり勝手にやらせてもらっていますが、どうも今日は後ろのねじが巻かれていますのでストップをかけられそうなのですが、その辺のところは、お許しいただきたいと思いまして、これは皆様方、後でお帰りいただいてから余韻も含めてお考えいただけるということで、ご容赦いただきたいと思います。最初に簡単に流れだけ申し上げておきますと、前半でそれぞれの方から5分ぐらい。進士先生は1分でいいかな。要らない? そうはいっても多分絶対出しますから。そういうことで数分間話題提供いただきまして、その後、またそれぞれかなり具体的な問題が出ると思いますので、パネリストの間のやり取りをやらせていただきます。それから会場の皆様方からのご質疑。質問ございましたら、それをお受けいたしたいと思います。最後にまた、総括というか、まとめということで、ご意見をいただくと。そういうことで進めていきたいと思います。最初に私が口火切ることになっているのですが、時間も押していますので簡単なパフォーマンスだけやらせていただきます。皆さんにご協力いただきます。1分間目を閉じていただきたいのです。それで……。まだです、まだ。森とか緑、自分がかかわったというか、印象にある、先ほどの進士先生の言葉だと原風景、あるいは原体験をした場所、それを思い出していただきたいと思います。それがどういうものであったか、あるいはご自分がそこでどんな原体験をなさったかということも含めて、約1分。これからお願いいたします。始め・・・。やめてください。いかがですか? 結構長いでしょう。多分いろんなイメージが行ったり来たりしたのではないかと思うのですが。今のイメージをこのパネルディスカッションが終わるまでずっとお持ちいただいて、それとダブらせて今日の話と後で結び付けていただければと思います。これは皆さん方への宿題です。では、早速でございますが、千葉市長さんのほうから話題提供ということで口火を切っていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。

市川市長 千葉光行

初めに、ちょっと私のほうで時間設定を間違えまして、このパワーポイントがちょっと長いんで、進士先生の5分をちょっと頂いて、10分ということでお許しをいただきたいと思います。おります。

これは、今回参加しております6市の位置図でございます。 さて、「ふるさとの緑をどう守り育てていくか」と言う非常に大きな課題でございますが、首都圏の緑を保全していくことは、ヒートアイランド現象の緩和、または、CO2の吸収源対策等として重要と認識しているところでございます。  そこで、首都圏の玄関口であります千葉県北西部の緑の現状を見てまいりますと、急速にその減少が窺えます。これは、急激な開発に伴なう要因が大きいものと感じております。

千葉県6市の位置
市川市を含めこの6市は、東京の入り口になっております。ここがどんどん都市化されているということを示したいと思います。
千葉県北西部の市街地

これは、6市を代表する市街地の状況であります。 ご覧の通り駅周辺は、再開発ビルが建ち、その周辺は、2階建て木造住宅が立ち並ぶ住宅地であり、手前の緑は社寺林であります。これらは、千葉県北西部の平均的な町並みの緑の少ない状況が見受けられます。



これは、千葉県の北西部であります柏市及び流山市の市周辺でございます。

左側の白黒写真は1967年当時でございます。画面上黒く写っている所が緑地でございます。  これに対しまして、右側の写真は2005年現在でございますが、だいぶ宅地化が進み緑の減少が窺えます。  鉄道も出来、駅周辺は更に宅地化が進んでおります。

千葉県北西部の変遷

市川市を例にとって、緑の移り変わりを見てみますと、明治20年には、約350haでありましたが、昭和30年、平成6年と減少し、平成11年には約85.3haと著しい減少となっております。
明治20年 ⇒ 平成11年 差引△約265ha

緑の変遷
都市近郊緑地保全の課題

都市近郊の緑地は、宅地化の進展に伴ない減少の一途をたどっておりますが、その背景としては地価が高騰し、相続発生時において、相続税対策として売却、開発されていることが挙げられます。

また、緑地の管理が困難となる事情として、山林所有者の高齢化や後継者不在により管理に手が回らない点や、住宅地に隣接した斜面林の枝おろしや枯れ木の伐採等にはクレーン車などが必要となり、専門業者への依頼により費用が増大している点が挙げられます。
(参考)伐採費用
枯れ木伐採 高さ15メートル 10万円/本
枝おろし  高さ15メートル 5万円/本
山林面積:平成7年 約142ha ⇒ 平成17年 約131ha
差引△約11ha

市川市における緑地保全の取り組み■緑地の公有地化
 市川市では、昭和48年から平成16年までに緑地の買収(約27.9ha)及び寄附(約2.9ha)を合わせ、約30.8haを約198億円かけて取得しております。

緑地対策事業補助金
 緑地を保全するため、山林所有者との協定を締結しております。

■協定面積 平成16年度 約46ha 

■交付額 平成16年度 約1,300万円
(参考)
昭和48年度 約136ha ⇒ 平成16年度 約46ha 
差引△90ha

■啓発活動
 6市と連携により、緑地保全の課題に取り組んでおります。


市民と緑地を結ぶそこでいろいろな施策をここ4、5年前からスタートいたしました。これは堀之内という所ですけれども、やはり、ここに林があるのですが、下の通りが非常に車の通りが激しいということで、市民の皆さんの手でこの林の中に散策道を自分たちで造っていただきました。これはまさにそういう、自分たちの地域は自分たちでつくるのだと。さっき最後に地域の共生というのが出てきましたけれども、まさに地域の人たちが自分たちで街づくりを実践している訳であります。市川市ではNPO、ボランティア活動の団体に対して、市民が自分の税金の1%を寄附する制度も作りました。この目的というのは、地域のことは地域でやろう。自分たちの運動を市民に評価してもらおうというような目的であります。

里山

これが先ほどご紹介しました里山風景で、こういうような状況があったわけですね。

今市川市では、休耕田になっている所を小川再生事業という事業を行っています。これはずっと休耕田だった所を市が借りて、あるいは買った部分もありますけども、そこの部分に小川を再生して、従来の生物をもう1回再生していこうというような事業です。ここに湧いてくる水は大町から流れてくるわき水です。この隣のコンクリートの川にはいろいろな生物が住んでいる。それをもう一度こっちへ戻してあげようというような計画で、レンゲ畑だとかもう一度再生していこうということであります。

国府台

これは国府台の緑地を、去年ですけれども、約2.6ヘクタール、相続でマンションが建てられるというので買わせていただきました。ここを、今暫定的ですけれども、歩けるようにしていこうと。ここら辺はグリーンネックレス構想と命名して、ネックレスのような、ずっと回ってこられるような構想を作っております。市川市全体では水と緑のネットワークという構想を今作っておりまして、そのネットワークに関したところは全部買収しようという、相続が出たときには買おうというような計画でおります。


生垣助成金

これは生垣設置助成事業と言いまして、先ほども出てきましたけれども、ブロックの塀はやめようと。市街地の中に緑を増やす特効薬として、あるいは防災上の観点から、もし、生け垣にしていただけるのであれば市川市は、行政が負担してやりますよと。ただ、1メートル当たり1万5,000円助成いたします。この単価で基本的な生垣は、ほとんど設置できます。このような事業が2年、3年ぐらい前からスタートしております。大変希望者が多くて、予算が追いつかなくて、補正予算を組むような状況にもなっております。

湧き水

これは市川市の湧水なのですが、先ほどの小川再生の水源の湧水ですけども、市川市には、今から40年から50年の間に約300箇所ぐらいの湧水がありました。ところが、宅地化が進むにつれて湧水がだんだん少なくなってきて。この大町のここの所では、ホタルが自生しているのですね。わたしが、市長になったのはちょうど平成10年なのですけれども、そのとき私もあまり知りませんでした。そして、このホタルを観賞したときにびっくりしまして。その当時、まだ見に来る人は400人ぐらいでした。去年、この大町のホタルを見に来る人は1万人を超えました。ですから、私たちのそばにこういう自然があるということを、また大切な湧水をどう守っていくかということを都市の課題としております。

今、市川市ではあま水条例というのを作りました。これは、今年からスタートした事業です。これはどういうことかというと、雨が降って地下に浸透する地域というのは市川市内では限られています。その地域で新築するときには浸透升を付けなければいけませんと。これは義務です。義務で付けていただきます。そして、既存住宅で浸透枡を付けてもいいですよという家は、市川市が全額出してこの浸透升を付けます。そうするとあと10年ぐらい、あるいは20年ぐらいの間に湧水が復元できるだろうというような計画であります。そのようなことであま水条例というような条例も作らせていただいております。

あま水条例

〔市の役割〕

■市
 1 ボランティアの組織化及び育成
 2 活動場所の提供、講習会開催等
 3 千葉県6市のネットワークの強化
 4 埼玉県や神奈川県等首都圏の関連都市とのネットワークの
   構築並びに拡大
 5 山林所有者への支援(補助金)
 6 国への支援要望

■市民
 1 山林の枝おろし、草刈、ゴミ拾い等維持管理の支援を行う
 2 関連都市とのネットワークの構築
 3 市からのボランティア支援要請

■山林所有者
 1 市民に対する山林の公開
 2 国への農地並み相続税猶予制度の陳情

※ 国へ農地並み相続税納税猶予制度の創設、維持管理費の支援、維持管理
  の人的支援等、総合支援制度の創設を国に要望していく。

総合支援制度の創設

今日の主題になりますけど、こういう6市の市民と行政がいろいろなネットワーク作り、これを発展させていきながら本当に大切なことを手を取り合って国等に要望していかなければならないこと、また、6市で我々が考えなければできないこと。あま水の条例にしても、できたら松戸市さん、鎌ヶ谷市さん、船橋市さんにやっていただかないと意味が薄れてくるわけでありまして、そういうようなことをお互いに情報交換することによって新たな次の6市の1歩を作っていこうということで、それにはまず市民の理解も必要だということです。

「(仮称)総合支援制度の創設」とは、都市の緑地は、地価の高騰に伴う相続税対策や急激な開発により、減少の一途をたどっているところである、現行の税制優遇制度や支援制度では、都市の緑地を保全していくことが困難であり、そこで新たに「(仮称)都市環境保全林」の創設を国に提案し、税制面の猶予や支援制度の強化を総合的に支援するものであります。

都市環境保全林の創設

そして、これは案ですけれども、都市環境保全林という形で、国がその山林に対して、農地並みに評価してもらうような要望をしていくために、6市の中で、一つの環境保全林というのはどの範囲までするのか、どの面積までするのか、そういうのを決めながら、これからの協議の中で考えていきたいというふうに思っております。まだまだいろいろと、宅地の開発条例なんていうのもあります。それは、面積が500平米のときには緑を10%作りなさい、1,500平米のときには15%にしなさい、2,000平米以上のときには20%にしなさいとか、そういう条例もありますし、また、大洲というところに大きな防災公園も出来ました。今度、石原製鋼跡地の約4.3ヘクタールに新たな防災公園を造るために今年から着手いたしますけれども、そのような形での面と点、そして緑を作っていく支度は幾つか始まっております。後でそういうこともお話しさせていただこうということで、限られた時間ですのでこれで失礼させていただきます。ありがとうございました。

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